多くの国では、観光ビザで最長90日間の滞在が可能ですが、その後は出国しない限り、再入国できない場合があります。ビザランを活用することで、合法的に長期間滞在することができ、次のビザを取得するまでの時間を確保できます。
「ビザラン」と検索すると「ビザラン やばい」「ビザラン 違法」などと出てきて不安を煽る記事が多くありますが、実際に日本を出国してから現在1年半以上ビザランでノマド生活をしていて空港で止められたことは一度もありません。ビザの期限を超えて滞在しない限り違法ではないので安心してください。ただ、一つの国にビザランをし続けると入国規制が入る場合があります。この1年の経験から、日本人がビザランするのにおすすめな国をご紹介します。
ビザランとは
ビザ(査証)を利用して旅行や滞在を続ける方法のことです。
通常、ある国に長期間滞在するためにはパスポートのほかに、ビザ(渡航するための公的な許可証)が必要ですが、ビザの有効期限や滞在期間には制限があります。
ビザランを実行する人は、ビザの有効期限が切れる前に別の国に移動し、新たにビザを取得するか、または別のビザを申請して再びその国に戻るという方法を取ります。
ビザが切れる前にその国を出て、別の国へ入国すればOKということです。
例えば、ベトナムへ行くため1ヶ月シングルエントリービザを取得した場合。ベトナムへは30日間しか滞在することができません(申告なく30日を超えて滞在すると不法滞在となります)。
もっと長くベトナムにいたいなーと思った場合、一度ベトナムを出国し、ベトナムから一番近い、隣国のカンボジアへ入国します(ベトナムを「出国」することが主な目的のため、滞在時間は1日もなくてもOK)。カンボジアの滞在中、もしくはカンボジアに入国する前に、ベトナムのビザを新たに取得します。習得出来たら新たなビザを持ってまたベトナムへの入国、新たに30日間の滞在が可能となります。
※ベトナムには、実際は30日以上滞在できるビザが複数ありますので、最初から30日以上の滞在が決まっている場合は60日や90日のビザを取得する方が賢い方法です。
ちなみに、ノービザでベトナムへ入国後、滞在中にビザの取得をしようとしましたが、大使館へ行っても、旅行代理店に相談しても不可能でした。ビザ取得のためにダナン中を走り回った記録はこちら…
「ビザラン(Visa Run)」という言葉の由来は、英語の「visa」と「run」を組み合わせたものです。
この言葉は、ビザの期限が切れそうなときにビザの要件を満たすために短期間で他の国に移動し、再度ビザを取得する行為を指します。
ビザランのメリット
前述の通り、ビザランの最大のメリットは「滞在期間の延長」です。ビザランを活用することで、合法的に長期間滞在することができ、次のビザを取得するまでの時間を確保できます。
次に、出国して再入国を繰り返すこと「好きな場所に長く済むことができる」ということです。例えば、特定の国で長期間滞在したいけれど、ビザの更新が難しい場合などに有効です。
さらに、ビザランは「新しい場所を探索できる」という点でも優れています。出国先として近隣の国に訪れることで、異なる文化を体験したり、新しい観光地を楽しんだりすることができます。これにより、旅行そのものがもっと充実したものになります。
最後に、ビザランは「簡単な手続きで実行可能」な点も大きなメリットです。必要なのは出国と再入国の手続きだけで、特別なビザや面倒な申請手続きは必要ないため、比較的簡単に実践できる方法です。
このように、ビザランは旅行の自由度を高め、長期滞在を可能にするとても便利な方法です。
ビザランの規制
冒頭で述べた通り、この方法は、長期間の滞在を希望する旅行者やデジタルノマドなどによって利用されることが多いですが、各国のビザ政策や法律により制限や規制があるため、計画的に行動することが重要です。最近では、ビザランを避けるために長期滞在用のビザや、より柔軟なビザ制度が導入されるケースも増えてきています。
ビザラン対する規制は、国によって異なりますが、特に以下の国々で規制が厳しくなっていることが多いです:
- タイ:タイでは、ビザランに対する規制が年々強化されています。
特に、観光ビザの延長や新たなビザの取得が難しくなっており、ビザランを繰り返すことに対して厳格な対応が取られています。タイ政府は、ビザランを利用して不正に長期間滞在することを防ぐための措置を講じています。 - マレーシア:マレーシアでもビザランに対する規制があります。
特に、長期の滞在を目的とした頻繁なビザの更新が制限されており、ビザランを行うと次回の入国が難しくなる場合があります。 - インドネシア:観光ビザの延長が制限されており、ビザランを行うと新たなビザの取得が難しくなる可能性があります。
- フィリピン:フィリピンでもビザランに対する規制があり、観光ビザの延長や新たなビザ取得に対する条件が厳しくなっています。ビザランを繰り返すと、入国時にトラブルが発生することがあります。
これらの国々では、ビザの有効期限や滞在期間の延長に対して厳格なルールが設けられており、頻繁なビザランが難しくなっています。
特にタイでは、「ビザラン規制法」という法律が発布されています。大々的に何日以上、と公表はされていませんがタイの年間滞在可能な日数は決まっており、一説によると90日、あるいは180日と言われているようです。
ビザに関して、ブログやSNSなどの情報は最新ではなかったり、広告収入やアフィリエイトへの誘導が目的だったりするため、最新のビザ規制情報は必ず【大使館】のサイトを確認するようにしてください。
これを踏まえて、日本人がビザランするのにおすすめな国をご紹介します。
ビザランおすすめの国ランキング
今回のランキングは以下の基準でランク付けします
- ビザの取りやすさ
- 物価が高すぎない(日本と同等かそれ以下)
- 日本人の滞在のしやすさ
- 治安の良さ
ビザランで長く海外にいたい方の参考になれば幸いです。
第3位
第3位は、みんな大好き、ハッピーアイランド「タイ」です!
- ビザの取りやすさ ★★★★★
- 物価 ★★☆☆☆
- 滞在のしやすさ ★★★☆☆
- 治安の良さ ★★★★☆
ビザが取りやすく、延長もしやすい(タイ国内のビザ管理局での延長の際も、爆速対応の)ため、第三位にしました。
また、物価についてですが、2024年現在円安にも拍車がかかり、物価は上がり続けています。有名な観光地の価格も毎年値上がりしています。特にAirbnbの一般的な宿で1ヶ月滞在する場合、3年前は5万円程度で滞在できたのですが、今年はワンルームキッチン付きの綺麗なアパートメント/コンドミニアムで最低8万円~/月が相場です。
また、滞在のしやすさを★3とした理由ですが、白人の観光客が多く、どこに行っても混雑している為です。また、街中は少々治安が悪かったり、衛生面で不安なお店も見受けられます。
ただ、それらのマイナス点を差し置いても、やはりタイはとても魅力的な国です。ナイトライフはもちろん、昼間の観光にも飽きることはありませんし、インフラも整っています。コワーキングスペースも増えており、仕事をしても大丈夫なカフェが多いです。日本人はビザなしでも入国できることも、とても魅力的です。
前述したように、年間180日(目安)を超えないようにビザランやノマドライフの拠点をタイにするのはかなり賢い選択だと思います。
第2位
第2位は、「スリランカ」です!
- ビザの取りやすさ ★★★★★
- 物価 ★★★★☆
- 滞在のしやすさ ★★★★☆
- 治安の良さ ★★★★★
日本人であれば30日以内の滞在はビザが不要で、30日以上滞在の場合でもオンラインで渡航前にビザが申請できるため安心です。
↓下記の記事で、スリランカのマルチエントリービザを取るときにシステムエラーが多発しかなり苦労したのでその原因と回避方法&ビザの申請方法をまとめてあります。これはマジでしんどかった…
エラーさえなければ申請はサクサクで、入国時に面倒な質問や銀行の残高確認もありません。
また、スリランカは歴史的な背景や文化的なつながりから、とても親日です。
まず、スリランカと日本は戦後、良い関係を築いてきました。日本は戦後の復興支援や経済援助を通じてスリランカを助け、特にインフラ整備や教育分野で大きな支援を行いました。特に年配の方は日本への感謝の心をもって温かく迎えてくれる人がとても多かったです。
さらに、日本の技術や製品が高く評価されており、スリランカでは日本車や家電製品が人気です。このような経済的なつながりも、両国の親密さを深めています。
スリランカを歩いていると、TOYOTAやSUZUKI、SUBARUなどの日本企業のロゴの入った車を多く見かけます。公共のバスが日本製だったりもします。(スリランカのキャンディーで日本の幼稚園バスがリメイクされて観光バスとして使われているのを見かけました笑)
こんな背景から、「Where are you from?」と聞かれ、日本から来たよ!と伝えると、オォー!ジャパニーズ!!ウェルカム!ウェルカム!!と喜ばれるくらい、日本の事が好きなスリランカ人は本当に多いです。(日本人はお金持ちで気が弱くカモりやすいと思い、騙すために近づいてくる人も少なからずいるので常に気は引き締めておいてください)
また、スリランカは自然が多いので様々なアクティビティを楽しむことができます。スリランカには2ヶ月滞在しましたが、大きな滝を見に行ったり、朝日を見に岩山を登ったり、ビーチでゆっくりしたり、とても濃い2ヶ月を過ごす事が出来ました。
特に、シーギリヤロックと朝日が見れる絶景スポットは、一見の価値ありです。
物価については、ざっくりと日本の半額~1/3くらいをイメージしておくといいと思います。
ローカルフードはスリランカの代表的なライス&カレーは約200円~。観光客向けの綺麗なカフェやレストランだと、全く同じ品質でも1000円~が相場です。ミリッサやヒッカドゥワなど観光客に人気のエリアのビーチ沿いのレストランだともっと高くなることもあります。お洒落なカフェのコーヒーは500円~800円。海辺のココナッツは200~300円です。
毎日外食した1ヶ月の生活費をこちらにまとめましたので参考にしてみてください。
第1位
そしてそして!第1位は…「ベトナム」です!
- ビザの取りやすさ ★★★★★
- 物価 ★★★★★
- 滞在のしやすさ ★★★★★
- 治安の良さ ★★★★★
全部★5つ・・!!
ベトナムの良さを語ると長くなるのですが、まず圧倒的に「カフェの質が良い」。東京の表参道にあるようなお洒落で洗練されたカフェが、日本の半額以下で楽しめます。Wi-fiももちろん完備で、ノマドワークにはもってこいです。カフェに食べ物を持ち込んでもいいというところが多く、若者人口が多いのでカフェにお菓子を持ち寄り勉強をしていたり、仕事をしている人も多いため、カフェでPCを開いても肩身が狭くありません。
また、宿の質もかなり良く、料金も比較的安いです。月で借りると綺麗なキッチン付きワンルームが6万円~で借りることも可能です。
そして、移動のタクシー(車)や、バイタク(バイクタクシー)が驚くほど安く、アプリ(Grab)で呼べばすぐに来てくれるので足で困ることはありません。地下鉄はありませんが公共のバスが安いです(60円~)。
ベトナムをノマド生活のハブにして、周りの国に少し滞在してまたベトナムに戻る、という生活が最もコスパよく、ストレスなくビザランできると思うので、本当におすすめです。
まとめ
ビザランは旅行の自由度を高め、長期滞在を可能にするとても便利な方法です。
私は2023年6月から一度も日本に帰国せずにビザランでノマド生活をしていますが、圧倒的に生活がしやすかったのはベトナムです。
ちなみに私がビザランで訪れたのは日本→ベトナム→バリ島→プーケット→マレーシア→バリ島→ベトナム→プーケット→スリランカ→ジョージア(現在)です。
国によってはタイのようにビザランに制限がある場合もあるので、事前に情報を確認することを忘れないようにしましょう。
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