プーケットの街が水しぶきで大騒ぎ!タイ最大のお祭り『ソンクラーン』を現地で体験してきました。4月の暑さを吹き飛ばすびしょ濡れの水かけ合戦は、観光客も地元民も一緒になって楽しむまさにカオスな祭り。今回はその全貌をレポートしながら、必須の持ち物や現地のタイ人に聞いた禁止行為までお届けします。ソンクラーン祭りを120%楽しみたいなら必見です。
ソンクラーン祭りの日程
2024年のソンクラーン祭り:
2024年はタイ政府の観光振興策により、通常の3日間(4月13日~15日)が延長され、4月12日(金)から4月16日(火)までの5日間が公式のソンクラーン休暇となりました。特に4月12日は政府機関などに適用される特別休暇として追加されています。
2025年のソンクラーン祭り:
2025年の公式日程は、伝統的なタイの新年として4月13日(日)から4月15日(火)の3日間が基本です。ただし、過去数年の傾向を見ると、観光促進や週末との兼ね合いで期間が延長される可能性があります。現時点では、タイ政府からの公式発表がないため、延長されるかどうかは未定ですが、基本日程は4月13日~15日と考えておけば間違いありません。
ソンクラーン祭りとは

ソンクラーン(สงกรานต์)はタイの伝統的な新年のお祝いで、タイ全土で盛大に祝われるお祭りです。元々は仏教的な儀式が起源で、家族やお寺で水をかけて清める習慣がありましたが、今では「水かけ祭り」として知られるド派手なイベントに進化しています。特にプーケットみたいな観光地では、地元民も旅行者も一緒になって水鉄砲やバケツで水をかけ合う、カオスで楽しいお祭りになっています。
基本情報:
- 時期: 毎年4月13日~15日(タイの旧暦に基づく新年)。
- 意味: 「ソンクラーン」はサンスクリット語で「移動」や「移行」を意味し、太陽が牡羊座に入るタイミングを祝うもの。
- 伝統的な側面: 仏像や年長者に水をかけて敬意を表したり、家を掃除して新年を迎える準備をする習慣があります。
- 現代の姿: 大通りで水をぶちまけるパーティー状態!音楽が流れ、笑い声と水しぶきが飛び交う。
プーケットではビーチ近くのエリア、特にパトンビーチ周辺が激アツスポットで、びしょ濡れ覚悟の戦場と化します。
ソンクラーンでの禁止行為
- 僧侶への水かけ
- ソンクラーンは水をかけて楽しむ祭りですが、僧侶は尊敬の対象なので絶対に水をかけてはいけません。伝統的なお清めの儀式以外ではNGです。
- 過度な飲酒や会場でのアルコール販売
- 近年、政府は飲酒運転や事故を減らすため、水かけ会場でのお酒の販売を禁止しています(例えば2024年は4月13~16日に全面禁止)。酔っ払って騒ぎすぎるのも控えましょう。
- 危険物の使用
- 水鉄砲やバケツはOKですが、氷水や汚れた水、尖ったもの、硬いものを投げるのは禁止。ケガやトラブルを避けるためです。
- 露出度の高い服装
- プーケットはビーチエリアで開放的だけど、過度に露出した服(特に寺院近くや伝統イベント中)はマナー違反とされます。びしょ濡れでも下着が見えないように注意。
- 強引な水かけ
- 明らかに嫌がる人や、赤ちゃん、高齢者、病人に無理やり水をかけるのはダメ。楽しむための祭りなので、相手の気持ちを考えて。
- 交通ルールの無視
- バイクや車で水をかけて走り回る人がいますが、危険運転や信号無視は禁止。事故が多発する時期なので警察も厳しく取り締まります。
- 公共物や私有地の破壊
- 水をかけるついでに看板やお店の物を壊したり、勝手に私有地に入るのはアウト。パトンビーチ周辺では特に注意が呼びかけられます。
実録レポート。ソンクラーン祭り前日と準備編
ちょうどソンクラーンに合わせて日本から友人が遊びに来ることになったので、ソンクラーン期間中はカロンビーチの近くの広めのヴィラを4人でレンタルしました。

ソンクラーンが近付くにつれて、街中で水鉄砲を売り始めるお店が増えてきました。価格は大体1000円前後。電動のものなどもあり、そちらは8000円くらいで売っていました(友人がガチで買おうとしていたので必死で止めました)。
他にも、スマホを守る防水ケースなども200円位で売っていたので、念のため購入しましたが、これは本当に買っておいて良かった…!

また、透明なゴーグルもちらほら売っていましたが、ゴーグルはやりすぎだろ…と思いその時は買いませんでしたが、後々これを盛大に後悔することになるのです。。。
ソンクラーン祭りに参加するなら必須の持ち物
2024年に実際にソンクラーンに参加してみて、これだけはあった方が良い!と思ったものをまとめましたので是非参考にしてください。
- スマホの防水ケース(スリ防止のため首からかけられるもの)
- 防水ケースに入るミニ財布(濡れるので、防水ケースに入るものが最適、お金は見えないように)
- 水鉄砲!楽しむなら必須です。500円~1000円くらいで一般的なものは買えるので現地購入でOK。片手がふさがらないよう、リュックタイプの背負えるものが楽でおススメ。
- プラスチック製ゴーグル
- 水着(下着までべっちょべちょになるので水着必須)
- 汚れてもいい服(色水をかけられる場合があります)
- サンダル
- パスポートの顔写真ページの写真かコピー(バングラ通りのクラブに入るなら必要な場合があります。原本を持ち歩くのは危険なのでコピーか、写真を撮っておくのがおすすめ。)
- タオル
タオル、と書きましたが、これはべっちゃべちゃに濡れている場合だと帰りのタクシーに断られる場合があるためです。タクシー(一般車)に乗れない場合はトゥクトゥクや乗り合いバスがありますが、この期間中は通常、料金が3~4倍の価格になっていますので注意です。
プラスチックゴーグルに関しては、バングラ通りで急遽必要になって高値でしたが買いました。その理由は後述します。
ソンクラーンが待ちきれない現地のタイ人は前日の夜からコンビニの前にたむろして、道行く通行人に水鉄砲で軽めに水を発射していました。。。ちょっとスカートが濡れてテンションがた落ちになりながらその日は帰宅。
ソンクラーン祭り当日。
ソンクラーン1日目。
前日に調達した背負うタイプの水鉄砲を持って、中に水着を着ていざ、外出!
中心部のバングラ通までは宿からは少し遠いので、夜に行くことにし昼間は宿から近くのカロンビーチへ遊びに行くことに。

宿を出ると、さっそく車の荷台にのった現地の人から水鉄砲を浴びました。そのあともバイクの後ろに乗った知らない人からの水鉄砲、たまに水鉄砲の中に氷を仕込んだ人もいて、冷たすぎて悲鳴がでました…。
また、昨夜はなかった巨大なバケツが道のいたるところに置いてありました。なんだろう…?と見ていると、どうやら給水所のよう。
しかも給水所の近くは、たいていマッサージ店のおばちゃんがニコニコとミニバケツを持って待機しており、水鉄砲の給水へ行くたびに、頭の上から容赦なく水をぶっかけられました。
可愛い写真を撮るためにしっかり髪を巻いてお化粧をしましたが何の意味もなく、外出後ものの5分でびっちゃびちゃのぐっちゃぐちゃになりました。いいんだよ、いいんだけどね。
また、白い粉と水を混ぜて練ったような謎の液体?緩めの粘土のようなものを持った人がおり、道行く人の顔に塗りたくってました。
後で調べたところ、これも一応お祝いの一つらしい。
もうこうなったらとことん楽しもうじゃないか!ということで「塗って~!!」と顔に謎の白い液体を塗りたくってもらいました。

ハッカのような成分が入っているのか歯磨き粉を混ぜたのかわかりませんが、しばらくすると目に染みて涙が止まらなかったので、すぐに持っていた水鉄砲を自分で顔面にかけて洗い流しました。
そのあともしばらく外で水かけを楽しみました。特に面白かったのは車の荷台に若いタイ人が何人も乗って、道行く人たちにバケツで水をかけていたのは豪快でした。音楽ガンガン、水はバシャバシャ。知り合いにも知らない人にも水をかけまくる。完全に非日常体験でした。
宿からすぐの道端でこれなら、中心部はどんなことになっているのか。夜に乞うご期待です。
ランチタイムでしばし休息
ランチの時間には近くのお気に入りのお店に入りました。
野外のテラス席に座りましたが、お店に入った瞬間誰も水をかけてこなくなったので、【お店の中には水はかけない】これは暗黙のルールなようです。
祭りを全力で楽しみつつ、営業の邪魔はしないと徹底している姿はちょっと感動すら覚えました。
カッコイイぞ、タイ人。
カオスと化したバングラ通りへ。
ビーチで軽く泳いだあとは一度帰宅、昼寝をし、夜にタクシーを呼んで4人でいよいよバングラ通りへ!GrabやBOLTでタクシーを呼ぼうとするも普通のタクシーは全くいなかったので少しお値段が高めのVIPと記載のあるバンを呼びました(VIPな車内を期待するも、普通のバンでした)。
通常であれば15分くらいで着く距離が、中心部に近づくにつれ大渋滞で1時間半以上かかってもまだ着かず…。そのあとも全く進まず、途中で車を降りて徒歩でバングラ通りへ向かいました。結局、カロン方面からは2時間以上かかっての到着でした。時間には余裕を持って出発した方が良さそうです。

まず到着して驚いたのは、ほとんどが泥酔した外国人!!タイ人どこ!?!?
現地のタイ人は中心部より少しだけ離れたお店の前などにたむろしており、中心部は欧米人(主にオーストラリア人)がほとんどでした。屋外なのに混雑したクラブのようにぎゅうぎゅう詰め。べちゃべちゃの他人とぶつかり、押し合い圧し合いしたりされたりしながら進みました。
途中、目先1センチの至近距離で大きな水鉄砲を向けられたり、ものすごい水圧(たぶん伝動)の水鉄砲が右耳に穴に直撃。激痛でした。そのあとも、色水のついた水鉄砲が目に入って染みるやら氷の入った冷水をかけられるやらで本当にカオス。目に入った水で目がゴロゴロと違和感があったので、この時に急遽ゴーグルを購入しました。
もう、楽しむ余裕はありませんでした…。
1時間ほど滞在しましたが既に意気消沈。日本からわざわざソンクラーンに遊びに来た友人を置いて行くわけにもいかないので、割と静かなパトンビーチ沿いで一時休憩。パトンビーチは酔っ払いや大麻(タイは合法です)でふらふらな人、海に向かっておしっこをしている人もいました。うわぁ…(引)。
ちなみに、パトンビーチ側には小さなステージが設営されており、無料ライブを楽しむことができました。

ビーチ沿いには軽めのお酒も売っていました。(規制されてるって話だったけど…なぜ)
結局、クラブも入りたい!という友人に連れられその日はナイトクラブを楽しむことに(クラブ内は水鉄砲禁止なので、入り口で預けることになります)。
外と変わらないくらいの込み具合でしたが、水鉄砲攻撃が無いだけマシだったかな。
レストランでもひと悶着
夜ご飯を食べに、一度バングラ通りから徒歩10分くらいのところにあるレストランへ向かいましたが、そこへ、顔が真っ赤になるほど泥酔したオーストラリア人が、水でいっぱいにした大きなバケツを持って乱入。
店主の奥さんが、「店の中はほんとにやめて!」とガチの抵抗をするも、オーストラリア人はへらへらしながら水をかけようとしていました。ほかのお客さんや店員も彼を「ここはレストランだからさ」となだめつつ止めようと間に入りましたが、「水をかけられても怒っちゃだめだろ?フェスティバルなんだから」のようなことを言ってやめようとしません。
結局、奥さんはじりじりと店の外の方へ移動し、お店に被害が出ない程度のところで水をかけられていました。怒ることもできずに可哀そうだった…。
全身びしょぬれで帰路へ
友人たちは女の子のお店に行く!!とはしゃいでいたので、この日は筆者は帰ることに。
なんだかとってもへとへとになりながら、帰りのタクシーを呼びました。バングラ通の中心部には高額トゥクトゥクしか待機しておらず、普通のタクシーが全く捕まらないため、少し離れた場所でタクシーを呼び、待機。チャットで服は濡れていないか?と確認されたので、濡れているがタオルがあるから大丈夫と言うと無事にピックアップしてくれました。
びしょぬれだと乗せてくれなかったかも…。濡れると夜は寒いのも含め、やはりタオルは必須です。
バングラ通の方まで行くと、ちょっと濡れちゃったな…くらいじゃなくてガチで頭の先からつま先まで水を浴びることになります。
まとめ
今回、初めてプーケットのソンクラーン祭りに参加してみて感じたことは、中心部に行くほど「タイ人のお祝い事」ではなく、ただの外国人のカオスなパーティーと化してしまっているということ。

プーケットで暮らすタイ人に聞くと、「観光客がルールを無視して暴れすぎるのが困る」とのこと。特に「水に変なものを混ぜてくる人」や「夜遅くまで騒ぎすぎる人」が問題視されてるみたいです。
伝統的な意味合いもある祭りなので、その辺を意識すると現地でも好印象ですね。
個人的にはカロンビーチの周りで現地のマッサージのおばちゃん達に水をかけられているくらいがちょうど良かったです…笑
人生経験として、あのカオスはなかなか経験できるものではないと思うので、気になる方は行ってみてください。ただ、防水グッズとゴーグルはぜっっったいに忘れずに!!
後日談
耳の中に直撃した水鉄砲が原因かは定かではないのですが、ソンクラーンから数日後、直撃した右耳内に炎症が起きました。また、色水を浴びた左目はゴロゴロした違和感が数日あり、執拗に目をこすってしまったせいか、軽めのものもらいにもなりました(現在は両方とも完治済み)。片耳と片目を犠牲にする価値はあったか?と聞かれると、うーーーん。リピートはないですね。
バングラ通に遊びに行くなら友達同士で行ったストリップバーもかなり刺激的でした。
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