近年、「海外ノマド」というライフスタイルが注目を集めています。好きな場所で自由に働きながら、異国の文化や景色を楽しむというこの働き方は、多くの人にとって夢のように思えるかもしれません。
しかし、実際にはその華やかなイメージの裏に、現実的な課題や試練が隠されています。この記事では、ノマドワークのメリットとデメリットをリアルな経験者視点から掘り下げ、海外ノマド生活の実態を詳しくお伝えします。
筆者は日本を飛び出して海外ノマド生活を始めてそろそろ2年になります。
私が個人的に感じたメリット・デメリットをまとめてみましたのでこれからノマド生活を始めてみたいという方の参考になれば幸いです。
海外ノマドとしての生活を始めたいと考えている方や、すでに挑戦しているけれど課題に直面している方にとって、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
ノマドワークのメリット
場所にとらわれずに自由に好きな場所で働ける!
ノマド生活の最大のメリットはこれです。
会社に行くのではなく、好きなカフェや好きな場所で働いたり、毎週・毎月違うホテル・地域で過ごすこともできます。今いる国(場所)に飽きたら次の国へ、またその次へ、と旅行をしながら働ける事は人生経験を豊かにしてくれます。
毎日家と会社の往復、休みは土日だけのルーティーンで過ごしていると、1年が本当にあっという間です。
ですが、この海外ノマド生活を始めてから、1日1日がとても濃い毎日になりとても充実した毎日を過ごしています。日本にいるときの1年と海外ノマドの1年は同じ1年でも何倍も濃い時間を過ごしているなと感じます。
ちなみに私の場合、元々は東京にマンションを借りていましたが、ちょうど更新時期が近付いていたので、その更新日を機に海外ノマド生活をスタートさせました。マンションを解約し、家具などは実家やレンタルスペースに置いているので日本での必須ランニングコストはかなり抑えられています。
好きな仕事ができる
生活水準を下げない程度稼ぐことができる仕事で、かつそれが自分のやりたいことであれば、好きなことをしながら働けるのでこれほどストレスフリーで素晴らしいことはないと思います。
もちろん、好きな仕事で生活するには、少しの工夫と計画が必要です。まずは自分が心から楽しめる分野やスキルを見つけ、それを活かして収益化する方法を探ることが大切です。そして、現代はインターネットを活用して仕事を広げるチャンスが広がっており、例えばSNSやブログ、YouTubeなどを通じて自分の得意分野を発信すれば、共感してくれる人や顧客が見つかる可能性があります。
好きな仕事をするためには、必ずしもフルタイムで働く必要はありません。副業やフリーランスの形でスタートし、徐々に収益を増やしていくという選択肢もあります。重要なのは、「好きなこと」と「求められること」を結びつけることで、自分自身も楽しみながら他人にも価値を提供できることです。
時間を有効活用できる
通勤、帰宅という概念がないので、起きてすぐ仕事に取り掛かることが可能です。逆に昼頃までのんびり過ごして、ランチの後に少し仕事をするといった柔軟な働き方ができるのもノマドワーカーならでは。
私は仕事でプログラムを書くことが多いのですが、昼間より夜中の方が生産性が高いので1日中のんびりしたり観光した後、夜中に一気に仕事を勧めるといった働き方をすることもあります。
面倒な人間関係がない
私の場合は基本的に一人で仕事をこなすことが多いので、面倒な上下関係がほとんどなく、人間関係におけるストレスがほぼゼロです。
上司・部下への気遣い、付き合いでのみに行くことや人間関係のトラブル・ストレス等が一切なくなるのは、ノマドワークならではのかなり大きなメリットではないでしょうか。
また、海外にいるため上司やクライアントとの直接のミーティングや打ち合わせがゼロになり、仕事の効率が格段に上がるという点も見逃せません。オンラインでのコミュニケーションが主流になるため、無駄な会議や雑談・移動に時間を取られることが少なくなり、自分のペースで仕事を進めることができます。
もちろん、全ての人間関係が排除されるわけではなく、クライアントやパートナーとのやり取りは必要です。しかし、それらの関係もオンラインを通じたものが中心になるため、物理的な距離がある分、適度な距離感を保ちながら関わることが可能です。この「適度な距離感」は、心地よい人間関係を築く上で非常に重要です。
ノマドワークでは、自分の仕事に集中しながら、人間関係のストレスを最小限に抑えられるため、精神的な負担を軽減しつつ、効率的に働くことができます。これこそが、ノマドワークが提供する大きな自由と魅力の一つではないでしょうか。
環境適応能力や判断力がずば抜けて高くなる
海外ノマドワーカーとして生活する中で、環境適応能力や判断力が飛躍的に向上するのは、多くの人が実感するメリットの一つです。日々異なる場所で働き、文化や生活習慣が異なる環境に身を置くことで、自然と新しい状況に素早く対応する力が鍛えられます。
環境適応能力の向上:海外では、日常の買い物ひとつを取っても、言葉の壁や異なるルールに直面することがあります。こうした経験を繰り返す中で、柔軟な発想や工夫が求められるため、どんな状況にも動じず適応できる力が身につきます。また、異文化に触れることで視野が広がり、固定観念にとらわれない考え方ができるようになるのも大きな利点です。
判断力の向上:ノマド生活では、自分で多くの決断を下さなければなりません。どの国に行くか、どの宿泊施設を選ぶか、どのネットワーク環境を使うかなど、日常の小さな選択が積み重なります。このプロセスを通じて、情報を短時間で分析し、最適な選択をする能力が養われます。さらに、予想外のトラブルが起きた場合でも冷静に対応する力が鍛えられるため、問題解決能力も自然と向上します。
成長を実感できる生活:こうした環境適応能力や判断力の向上は、ノマドワークだけでなく、人生全般において非常に役立ちます。新しい挑戦への抵抗感が薄れ、自分の力で道を切り開ける自信が生まれます。結果として、より主体的で充実した人生を送るための基盤が築かれていきます。
ノマドワークは、単なる働き方の変化にとどまらず、自分自身を成長させる大きなチャンスを提供してくれるのです。
ノマドワークのデメリット
収入が安定しない
筆者の周りのノマドワーカーに聞いても、圧倒的に多いのがこちらの悩みです。
収入が安定しない時はメンタル的にかなりきついので収入が安定するようになってからノマドワークを始めることを強くお勧めします。
いやもうほんとに。お金がない不安はメンブレに直結するので、こればかりはしっかり計画を立ててからノマドワークに切り替えることをお勧めします。
または、収入が不安定になりづらい、少額でもコンスタントに報酬のある仕事を選べると金銭面でのストレスが減るかと思います。また、物価が安い東南アジアでの海外ノマドワークは家賃や生活費が相対的に低く済み金銭面でのストレスがかなり軽減されるのでお勧めですよ。きれいなビーチが多いのも魅力です。
自分でスケジュールを決めなければならない
メリットである【時間を有効活用できる】の、影の部分でもあるこちら。
時間が無限にある分しっかりとスケジュール管理をしないとあっという間に堕落した生活に…。
簡単なことに思えるのですが、いざノマドワークを始めると毎日が刺激的で時間に余裕が出来るので、どうしても仕事がおろそかになってしまいがちなんですよね…(自戒)。
なので仕事を始める時間にアラームをつけたり、仕事を始めるまでのルーティーンなどをしっかりと決めるのが良いですね。ちなみに私はスマホアプリのゲームにはまっているのですが、ステージを3つクリアしたら仕事に取り掛かるというルールにしています。(なかなかクリアできずに仕事ができないこともしばしば…)
言葉の壁による孤独感
海外ノマド生活において、最も予想外で厄介な課題の一つが「言葉の壁による孤独感」です。
異国の地で生活し働くという魅力的な選択肢は、自由や冒険心を満たしてくれる一方で、言語の違いから生じる孤独感を避けることは難しい場合があります。
言葉が通じない状況では、日常の会話から緊急時のやり取りまで、あらゆるコミュニケーションが困難になります。友人を作りたいと思っても、気軽に話しかけることがハードルとなり、人とのつながりが制限されがちです。また、文化的な違いや言語の微妙なニュアンスを理解できないと、誤解や疎外感を感じることもあります。
このような孤独感は、初めての土地での不安やストレスと相まって、予想以上に精神的な負担を大きくすることがあります。
私自身、英語はネイティブスピーカーの7割程度、そのほかの言語は全くできません。これまで訪れたベトナムやインドネシア、ジョージア、タイ、スリランカ、マレーシア等の国の第1言語は英語以外の母国語なので話せない/理解できないことでストレスや壁を感じることもあります。さらに、ネイティブイングリッシュスピーカーではない人の話す英語は訛りやクセが強く、唯一の共通言語である英語ですら意思疎通ができない状況にもなります。
しかし、言葉の壁は越えることができる課題でもあります。正直な話、海外生活で必要な英語のレベルは極めて低いです。
中学生卒業レベルの英文と英単語さえできれば実生活で困ることはほぼありませんし、現代はGoogle翻訳という天才的なツールもあります。特にベトナムでは年配者の方に英語はほぼ通じないので、Google翻訳で乗り切りました。
ノマドワークが向いている人・向いていない人
ノマドワークは自由で魅力的な働き方に見えますが、そのライフスタイルが全ての人に適しているわけではありません。性格や価値観、生活の優先順位によって向き不向きが分かれるため、ここではその特徴を詳しく見ていきます。
向いていない人:安定とルーティンを好むタイプ
ノマドワークは、場所に縛られない自由さを提供しますが、その反面、毎日の生活が変化に富んでいるため、安定した環境やルーティンを好む人にはストレスになるかもしれません。
例えば、一定の職場に通い、同じメンバーと働くことで安心感を得られるタイプの人にとっては、ノマド生活の不確実性や自己管理の必要性が負担になるかもしれません。また、頻繁な移動やインターネット環境の整備が面倒に感じる人にも、ノマド生活は向いていないかなと思います。
向いている人:自由と変化を求める冒険家タイプ
一方で、冒険心が強く、新しい環境や経験にワクワクする人にはノマドワークがピッタリです。
旅行が好きな人や異文化に興味がある人にとって、ノマドライフは単なる働き方以上に、自分の人生を豊かにする手段になります。
また、今の生活にストレスを感じている人や、人間関係に疲れている人にとっては、ノマド生活が新しい自分を見つけるきっかけになるかもしれません。
特に、自分の時間を自由に使いたいと考える人や、一人での作業に集中できるタイプは、この働き方のメリットを最大限に活かせると思います。
まとめ:自分を知ることが大切
ノマドワークが向いているかどうかを判断するには、自分自身の性格や価値観を深く理解することが重要です。
「自由な時間と引き換えに、ある程度のリスクや不便さを受け入れられるか」「新しい環境に適応する柔軟性があるか」といった問いに向き合うことで、ノマド生活が自分にとって本当に適した選択肢なのかが見えてきます。
ノマドワークは、すべての人にとって理想的な働き方ではありませんが、自分に合ったスタイルを見つけられれば、非常に充実した人生を送るための素晴らしい手段となり得ます。
ぜひ、住み慣れた自国を飛び出して海外でノマドワークをしてみませんか?
\ノマドワーカー友達募集中/
筆者のInstagramでつながってくれるノマドワーカー友達を随時募集してます(TωT)
周りにあまり同じ環境の人がいないので、国内外問わず、自分もノマドワーカーだよ~という方、いましたらぜひフォローお願いします。旅行好きの方も是非…!日本人からのフォローは基本フォロバします。
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